意識高い系社畜が会社をやめてからの記録

思考、感情、こころの、点と点をつなぎ、本当の自分へ還る方法を探します。

あなたは、悪くない。

「もー、分煙してくれればいいのに!!」

久しぶりに会った親友は、唐突に言った。
隣に座った客が、
「すげーヘビーだったな。」
そう言ったのだそう。

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私は、片隅で聞いたかもしれないその台詞を、
心の中で反芻してみた。

「すげーヘビーだったな。」

それだけを聞いたら、
厳しいプロジェクトか、
なにか終わったイベントの、
もしかしたら
別れた女性との話かもしれない。

煙がきつかったな、という台詞だとは
正直わからないな、と思ったりした。

「灰皿が置いてある居酒屋で
タバコを吸ってはいけないの?」

彼女はもんやりと繰り返した。

「許可されている。だから、問題ない。
とは考えられないということよね?」
私は聞いた。

私なら、
ごめんねー、でもイヤなら出てってくれるー。
そう思う。

私は私のやりたいようにして、
共存できないなら、
どちらかが外せばいいだけ。
そこに「私のせい」という、
感情の色はつけない。

でも、彼女は
タバコを吸ってはいけなかったの?
迷惑をかけてしまったの?
わたしがいけないの?
そう感じてしまったのだ。

やりたいことをすると、
誰かに迷惑がかかる。
そう、無意識に信じ込んでいる。
そういうことだ。

社会に出たての頃にお世話になった上司は、
私より3歳ほど年上で、男運が悪かった。

「どうしてなの!?私が悪いの!?」
大抵は、隠そうともせずに浮気をされ、
怒鳴りつけては情緒不安定になって
しばらく会社に来ないことがよくあった。

どうして?なぜ?
私は大切にされないの?
愚痴ると、彼女はよくこう言った。

私は、
「あなたは、悪くない。」
という言葉を飲み込んだ。
たとえ、毎回浮気をする男を
みずから選び取っているとしても。

私もまた、人の事を言えない程度の
恋愛経験しか持ち合わせていなかったし、
二股をかけられていて、どうやら本命は
私ではないと気がついた矢先だった。

「あなたは、悪くない。」

飲み込んだその言葉は、
自分へと返ってきた。
そして、二番手のポジションに
甘んじている自分を慰めてくれた。

私は私の都合で生きているし、
みんな、その人の都合で生きている。
ただ、それだけだ。

「あなたは、悪くない。」

私は二股男と別れ、
まもなく会社をやめた。
私は、私を大事にするほうを選んだ。